
<演劇の力>
21世紀、劇場は教会の役割をするだろうと予言した人がいます。
情報とめまぐるしく変化する社会の流れの中、置いてきぼりにされている「心」を調整してくれる場所がそこだからというのです。
確かに、日々の忙しい生活の中で、いま自分がどう感じているのか静かに耳をすますという機会はありません。
劇場は作家が書いた演劇空間の中で生きる俳優を目撃する場。
真実の行なわれている演劇では、観客は俳優が見、聴き、感じている事を想像する事が出来ます。
それは混沌とした日常の中では感じる事が出来ない、自分の中で眠っている「感情」を解き放つキッカケを与えてくれます。
演劇を通じて心を調整し、より良いエネルギーを生み出す場、それが劇場だと私達は思っています。 チェーホフも言っています。
「真実だけが人を治療でき、癒すことができる」と。
レオニード・アニシモフ
(Леонид Иванович Анисимов)
東京ノーヴイ・レパートリーシアター 芸術監督・演出家